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「ボルコム」の規模を30倍にした立役者の戦略とは

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米サンフランシスコ発のスケートブランドで、2017年12月にTSIホールディングスの傘下となった「ハフ(HUF)」を運営するハフホールディングスの最高経営責任者(CEO)にエディ・三好(Eddie Miyoshi)が就任した。三好CEOはアクションスポーツブランド「ボルコム(VOLCOM)」を、日本のディストリビューターやジャパン社の社長として大きく成長させ、2005年の本国での新規上場(IPO)、11年の現ケリング(KERING)であるPPRへの売却に導いた立役者だ。そんなアクションスポーツのプロフェッショナルである三好CEOは「ハフ」をどのように拡大するつもりなのか?彼がブランドの成長に必要だと語る「コアバリュー」と「対話」と共にひもとく。

昨年11月、TSIホールディングス(以下、TSI)のハフ買収をきっかけに、ハフの幹部体制が変わるという話になった。私の名前もCEO候補として挙がったが、「ボルコムに23年もいる三好が今の会社を辞めるわけがない」と思われていたようだ。しかしちょうど同じタイミングで私はボルコムを去り、各メディアに退任の記事が出て、すぐに「君にぴったりの職がある」と電話がかかってきたんだ。その時はまさかハフのCEOだとは思いもしなかったが、後で知って舞い上がったよ。日本企業が買収したストリートウエア企業のグローバル化に参画することは非常に興味深い。数カ月間商談を進め、お互いに本当に相性がいいのかを確かめ、CEOに就いた。

一言で答えるのは難しい。というのも、ボルコムだけで23年、アクションスポーツ産業には35年以上身を置いている。産業が生まれたててでまだまだ小さかった時代から、大企業が参入していくほどのメーンストリームになり、バブル期やその崩壊まで全てを見てきた。この長い期間をまとめてもしかしたら本が書けるかもしれない(笑)。ただ、ここ最近で興味深いのは、アクションスポーツ産業とストリートウエアとの関わりが深まったことだ。さらに面白いのが、ボルコムがケリング(KERING)の傘下に入り、ストリートウエアのカルチャーとラグジュアリーとのクロスオーバーを目撃できたこと。ボルコムもマス市場に参入してスローダウンしたが、ストリートウエアと親密になり、今度はラグジュアリーにも入り込んだ。

親会社が日本企業のTSIということは何よりの強みだと考えている。ボルコムジャパンの代表取締役として7年間日本でビジネスをして感じたのは、インバウンド需要をはじめ、日本がアジアのマーケティングハブの役割を担っていることだ。1980年代には、人々がモノを売るために日本へやってくる時代だったが、今は関係性が逆転し、アジアやヨーロッパから人々がブランドを学びに来ていて、日本企業を買収する外国企業もある。そういった状況下でハフは、日本の最先端が何かをTSIというエキスパートを通して知り、アメリカをはじめ各国で実践できる。

ボルコムは社員が30人ほどの小さな会社からスタートしたが、20数年後には600人規模へと成長した。その過程では、成功も失敗も学んだ。TSIには、成功と失敗の両方から得た経験をハフに持って行きたいと伝えている。

ポジティブな面では、ブランドのコアバリューと対話のアイデアだ。以前、ケリングのフランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)会長兼CEOがボルコムを他の人に紹介する時、「ボルコムは小規模な会社だし、500ドルの高級なTシャツを売っているわけではない。しかし、キッズや若い顧客と対話して関係を築いており、ラグジュアリー・ブランドにはないものを持っている。そのコアバリューを何があっても妥協せず貫いてきた。だからこのブランドを買収したんだ」と語っていた。これこそがまさにボルコムで学んだことだ。古い考えのようだが、魅力的な職人気質でもある。

2つの軸がある。まず1つは、消費者と対話することで関係を築き、今後20年、30年と残り続けるレガシーのあるブランドにすることだ。消費者に語りかける多くのラグジュアリー・ブランドとは異なり、われわれのようなストリートブランドは消費者と互いに語り合う必要がある。ターゲット層である20代前後の間ではトレンドは常に変わるものだし、数年後の20代のトレンドとも全く異なるだろう。顧客と対話し、時代に合ったビジネスに常に変えていけなければ生き残れない。そしてもう1つがスケートというルーツを守ること。「ハフ」を単なるロゴブランドにはせず、「スケートブランドの『ハフ』」として打ち出していく。この2つはブランドの拡大の上で絶対に妥協できない。

まずはSNSやECといったデジタルだ。ミレニアル世代の集中力は平均8秒しかもたないと言われている。彼らを引き込むストーリーを伝え、フォロワーになってもらうにはデジタルが一つの重要な手法だ。もちろん、リアル店舗の作りこみにも注力する。行ったらまず「何か買わなきゃ」と思わせるようなストーリーのある店舗にすることが必要だとTSIチームとも話している。卸先も厳選していく。さらに、メディアへの打ち出しも対話の方法として重視している。確かに出版界はスローダウンしているが、他国とは異なり日本はまだまだ強い。いずれも時代に対応し、どのような対話を行うのか、柔軟に決めることが重要だ。

ブランド価値を高めるため、より質の高いプロダクトを提供する。私の目標はプロダクトの質を上げ、顧客に応じたプレミアムな商品を作ることだ。値段が上がる可能性もあるが、あくまで質が向上した結果だ。

日本の基準に合わせるつもりだ。TSIがパートナーだからでもあるが、とある会社のCEOに「彼ら(日本人)の言うことや、やっていることを実行しろ。そうすれば最終的に他の企業よりも10歩先を行ける」と言われたことがある。そのため、商品のクオリティーの指針を日本に合わせることが私の目標の1つになっている。外国人の中には、日本人が口うるさく、細かいと不満を言う人もいるが(笑)。

密にコミュニケーションを取り、常に同じ位置にいて、同じ方向を向いているか確認しなければならない。私たちの目標は、TSIの体験を最大化し、資産をより効率的に活用すること。ECサイトを例に取れば「『ハフ』のECはTSIの技術でどうすれば良くなるのか」を話し合う。やはり行きつくところは対話だ。

具体的な目標数はないが、数はもっと増やせるはずだ。日本各地でポップアップストアを開くなどして様子を見て、スニーカーヘッズならぬ“ハフヘッズ”がいるところに出店していきたい。時間はかかるかもしれないが、トップダウンではなく、顧客との対話ベースで、下から自然とビジネスを成長させたい。

これも答えは同じで、対話をする中で女性からの需要が大きかったため日本企画でウィメンズコレクションをスタートした。男女比はある程度の理想はあるが、最終的には顧客次第だ。目標数値を決め、足りなければ空白を何とかして埋める、というビジネスはしたくない。これは他にも当てはまることで、例えば利益20%増と目標を立て、それを達成するためだけに卸先も精査せずに販売してしまっては意味がない。素晴らしいクオリティーの商品でブランド価値を高め、結果的に売り上げを出すことの方がビジネスモデルとして健康的だ。

2019‐20年秋冬バックステージはエレガントに回帰 赤リップが完全復活

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ニューヨーク・ロンドン・パリ・ミラノ・東京の2019-20年秋冬コレクションのバックステージトレンドをまとめます。ファッションのトレンドが、ここ数シーズン市場を盛り上げていたストリートから、エレガントやクラシカルに戻っていることもあり、ヘアメイクアップのトレンドもストリートトレンドに合わせたカラフルなものから“大人っぽい”メイクへとシフトしました。それをもっとも印象付けたのは赤リップの復活です。

クラシカルな赤リップは全都市で登場し、リップペンシルでていねいに輪郭を描いてからビビッドなレッドで唇全体を染め上げたものや、あえてリップラインをぼかしたもの、ラメを乗せたものなど、多様な表現が多く見られました。エレガントな赤リップにはナチュラルなアイメイクを合わせるなど、リアルに落とし込めそうなスタイルが増えていたことにも注目です。

特集ではニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ、東京のバックステージで見たヘアメイクのトレンドを洋服のトレンドと共に紹介。実際にバックステージで活躍する池田ハリス留美子ELC「M・A・C」シニアアーティストと、豊田健治・資生堂ビューティークリエイションセンターヘアメイクアップアーティストのコメントもピックアップしています。

ニュース面では、2019年春夏のフレグランス市場を振り返り「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」「キリアン(KILIAN)」「パルル モア ドゥ パルファム(PARLE MOI DE PARFUM)」などの日本への本格ローンチ、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」といった注目度の高いブランドの大型新商品の相次ぐ発売など最新動向を、4つのトピックスとともに探ります。

そのほか、成分を強化してリニューアルする「クラランス(CLARINS)」の人気美容液や、ロフトが初開催したメンズコスメフェス、日本最大級の美容師オンラインサロン「ビーオーシー オンラインサロン(B.O.C.online Salon)」、人気のリップを刷新する「オペラ(OPERA)」、素肌感を重視してリニューアルする「ロレアル パリ(L'OREAL PARIS)」の人気ファンデーション、化粧品をスタートする「エルメス(HERMES)」のニュースなどを紹介しています。